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花は買わないけど花屋は多い?沖縄市場(マーケット)で花は売れるか

コラム 2017.12.22

自宅近くに花屋が新規開店しました。

花の専門店は全国で減少傾向にあり、新規開店、まして住宅街では珍しく感じます。
この場所で、ビジネスは成り立つのでしょうか。

沖縄の花屋事情

実は、沖縄県民の切り花の購買額は全国最下位*で、年間1人あたり1,790円。

全国平均(3,957円)の半分以下、第1位の宮城県(6,422円)の1/3以下です。
沖縄では墓前や仏壇に日常的に花を供える習慣がないことや、暑さで日持ちがしないため、日常に花を『買って』飾ることが敬遠されることなどが要因と推察されます。

一方で花屋の数を調べてみると、人口10万人あたりで18.16軒と全国第14位**。

第1位の鹿児島県(同26.50軒)には遠く及ばないものの、全国平均(16.50軒)を上回っています。

花は買わないが、花屋は多い。

仮説として、以下を考えてみました。

  1. 本土と比べてネット販売での購入が地理的に困難なため、実店舗が必要(花屋の減少にはスーパーやホームセンター、ネット販売での花き類取り扱い量の増加が影響しているが、島しょ県の沖縄では花のネット販売は利用しづらい)
  2. 本土と比べて花の市場価格が安い(もしくは安い花が売れる)ため、購買総額は低いが購入頻度が高く、家の近くに実店舗が必要⇒だとすると収支は見合わない可能性
  3. 花以外の販売=ヒヌカン(火の神様、台所に祀る)用のチャーギなど
  4. その他:おばあのゆんたく場所として必要

 

検証が出来たとして、新規参入する市場があるとみるか、否か。

(金額としては)花をあまり買わない沖縄県民に、花を買いたくなる機会、シーンを『創る』ことが出来るかどうかが鍵なのではないでしょうか。
件の花屋は、見たところ取り立てて特徴的な様子は見受けられない、失礼ながら良くある『町の花屋』の体です。
が、もしかすると他では扱っていない特別な花を扱っていたり、花を買わない沖縄県民に花を買わせてしまう、すごい差別化戦略を持っているのかもしれません。

散歩の途中に、しばらくウォッチを続けてみようと思います。

参照資料:
*H28 総務省家計調査
**H26 総務省経済センサス基礎調査

 

花は買わないけど花屋は多い?沖縄市場(マーケット)で花は売れるか

このコラムを書いた人

山城あゆみ

ブルームーンパートナーズ(株) 業務執行役員・経営企画室長
国内大手製造業、外資系飲料メーカーの日本法人、外資系コンサルティングファーム(以上東京・大阪)、沖縄県内ベンチャー企業の上場準備室、公的支援機関を経て現職。
現在、複数の公的支援機関のアドバイザーも務める。


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